白雪姫の王子様




「「あっ」」



パチリと窓の外と目線が合って声が重なる。



「あれ、お仕事中?」



目を丸くする彼は、紛れもない犀川くんだった。


恥ずかしい妄想をしちゃった直後なだけに、正直内心ドキリとするも、私はなんとかそれを押さえ込んだ。



「ちょっとね、文化祭の資料集めしてるの」



窓の方に歩いていって、枠に手を掛けながら答える。



「そうかー。文化委員も大へ──」



突然自身の言葉を中断し、静寂をつくる彼。


どうしたの?


何故か不安な気持ちが襲ってくる。




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