白雪姫の王子様
「帰ろっか」
アトラクションを制覇しお土産屋さんを覗いていると、気づけばもう夕方を過ぎていた。
少し早いけど、明日は学校があるということで。
“ありがとう、楽しかったよ”
名残惜しくも私達は遊園地とお別れをした。
──幸せの時はほんの一瞬の如し。
1日を振り返ると、真っ先に浮かぶのは緊張でテンパった自分ばかりで。
結局今日というチャンスをうまく活かせたのか、恋愛初心者の私にはハッキリ言って謎だ。
ただ、これだけは言える──。
──ブーッ、ブーッ、ブーッ……。
「?」
私が思う存分堂々とアプローチできる日が来るのは、まだまだ先に違いない──。
「~〜〜〜〜っ!」
犀川くんから届いた例の写真に、不覚にも悶絶しそうになる私なのであった。