白雪姫の王子様
「……かの?」
あああああぁまた言えなかったーーー!
うぅぅ、私の意気地なし〜。
頭を抱えて大声で叫びそうになるのを、なんとかぐっと我慢する。
……ええ、わかったわ。これはもう、私に直球勝負は向いてないってことよね。
よし! 潔く作戦変更よ。
今度は周りから徐々に、じわじわと攻めていってやろうじゃない……!
「ええっとー。さ、犀川くん何か最近変わったこととかない?」
「ん?」
目に映るのはきょとんとした表情。
やっぱ、そうなるよね。
我ながら質問が酷すぎたと深く反省する。
「そうだな……。特に変わりはないかな?」
「そ、そっか〜……」
なんかごめんね犀川くん。
真面目に答えてくれる彼の純真さに、私は少し心が苦しくなった。