白雪姫の王子様




「白雪は? 文化祭の出し物で結構悩んでたみたいだけど、ちゃんと決まった?」



え、私!?


突然振られて少しびっくりする。



「っ、うん」



最終下校時間ギリギリまでかかって、漸く意見がまとまったことはまだ記憶に新しい。



「なんとか喫茶店で決まったよ。……って言ってもちょっと変わってて、“動物喫茶”なんだけどね」


「へぇ、動物かー。珍しいなぁ」



私の言う“動物喫茶”とは動物をコンセプトにしたもので、装飾や料理にその要素を取り入れ、接客する自分たちも動物モチーフの制服を着るといった内容。


そして何より、そのことが時間をとった最大の理由なのである。


というのも喫茶店というのは割と早く決まっていた。


けれど、誰がどの動物役をするのかということで皆揉めに揉めてしまった、というわけだ。




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