白雪姫の王子様
「ごめん、急に言われてもわかんないか」
「ううん! 私の方こそ」
……でも何でそんなこと。
もしかして──。
「それって、犀川くんの好きな人?」
気づけば、それは声となって空気を震わせていた。
「あっいや、ちちち違うの! あの、噂が本当だったのかって思……はっ、ううん忘れて!」
カァッと全身が熱くなる。
自分でも何を言ってるのかわからないくらい、頭の中は大パニック。
ただ、墓穴に墓穴を重ねて余計なことを口にしてしまったことだけははっきりとわかる。