白雪姫の王子様

「俺にはよくわからないって言ったんだけど、他に相談する人がいないからって頼まれて」


「なるほど」



優しい犀川くんだったら、困ってる子相手に断れない姿が容易に想像できるわ。



「だから、白雪に訊けば何かヒントが貰えるかもって考えたんだけど」



ごめんなさい、今私恋愛で思いっきり悩んでます。


それも、目の前のあなたのせいで。



「多分、その恋愛相談をしてる姿を誰かが見てて、噂話が広がっちゃったんだと思うよ」


「そうかー。……それじゃあ悪いことしちゃったな。三浦が想ってる奴に知られる前に、何とか誤解が解ければいいんだけど」


「そうだね……」



頭を抱えて悩んでる所非常に申し訳ないけど、ある意味既にアウトだと思うのは、私の気のせいだろうか。


だって思うに、三浦さんの好きな人って……。


まあいずれにせよ、犀川くんに彼女がいないという事実に私の頬は自然と緩んだ。