白雪姫の王子様
「その後、何か進展あった?」
「へ?」
し、進展?
──って、それは犀川くんとのこと、よね? ……多分。
きっとそうだ。
……ごめん間宮くん、残念ながら悲しいくらいなんにも変わってないの。
なんて正直に言うことはなんだか憚られて。
うぅ〜えっと〜、何て答えれば……。
「悪ぃ、冗談冗談。んな露骨に困った顔すんなって。看板作り頑張ってな、じゃ」
「あ、うん。間宮くんもね……!」
びっくりした。
てっきり文化祭のことを訊かれるものだと思ってたから、あまりに不意打ちの出来事で。
間宮くんが見えなくなってからも、心臓は暫くの間激しく音をたてていた。