白雪姫の王子様
「まったく、あんなことして何が楽しいんだろう。ねぇ──」
──っ!?
振り返った瞬間、私は息を呑んだ。
青ざめた肌。見開かれた瞳。強張った唇。大量の汗。
その様子は明らかにおかしい。
「犀川、くん……?」
そっと声をかけるも反応はない。
ふと、虚ろな表情に変わったかと思ったその直後。
……倒れる!
咄嗟に手を伸ばしたものの……。
──ドサッ。
大きな鈍い音がして、辺りは一気にざわめき始めた。