白雪姫の王子様
「おお、そうじゃそうじゃ。粥を作ったんじゃが、白雪、お前が龍介の部屋に届けてやってくれんかの」
「……うん」
おじいちゃんに言われるままに、台所へ向かう。
ミトンをつけコンロから鍋を持ち上げると、私は犀川くんのいる2階へと足を進めた。
──コンコン。
控えめにノックして、「入っていいかな」と尋ねた。
「白雪? 構わないよ」
了承を得ると、運んで来たお粥をベッドの横にあるテーブルにそっとおろす。
「お粥、ここに置いとくね」
「ありがとう」