白雪姫の王子様
ど、どうしよう。……こうなったら!
どうにもこうにも、初日から遅刻だなんてとんでもないと思った私は、近くにいた優しそうなおじさんに道を訊ねる。すると。
「ほんとですか?」
ここで初めて、逆方向に来てしまっていたことに気付いたのだった。
「そんなぁ~!?」
私はあまりのショックに頭を抱えながら、悲痛な叫び声を空に響かせた。
──……
「はぁ、はぁ……間に合っ、た」
溜め息交じりにそう漏らすと、一気に額の汗を拭った。
よかったー。
ここまで全力ダッシュで駆け込み、なんとか門を潜り抜けた私。
ひとまず安心し、走りっぱなしで乱れた息を、ゆっくりと整えていく。
えーっと、2組だから……。
“1年2組”
掲げられたプレートをしっかりと確認し、教室の中に入っていった。
すると──。