白雪姫の王子様
──……
『あぁーーっ』
私はいてもたってもいられず、頭に手をやり嘆声を洩らした。
と言うのも。
『お弁当……忘れた』
とてつもない絶望感に襲われる。
いつも愛用しているりんご柄のランチバッグが無いことに気づき、机の周りをくまなく探すもやっぱり見付からなくて。
そうだ。7時半開始の文化祭準備に遅れそうになって、今日は慌てて家を飛び出してきたのだ。
嗚呼、私としたことがリビングのテーブルの上に置いてきちゃったんだ。
深い溜め息が零れた。