白雪姫の王子様




『ちょっと。何事かと思ったら、そんなことー?』



毎日のお昼休みをどれだけ楽しみにしているか……。


そんなことなんて全く知らない由利は、呆れた声に憐憫の目で私を見た。



『“そんなこと”じゃないよ! 私にとっては1日のテンションを左右する一大事なんだから』


『はいはい。私の分けてあげるから、少し落ち着いて』


『……ごめんなさい女神様』



騒ぎすぎたなと反省する。


これからは気をつけなきゃなー。


そう心に誓ったとき、私の目にはある人物の姿が映った。



< 285 / 366 >

この作品をシェア

pagetop