白雪姫の王子様




『あ、いた。白雪ー! お弁当忘れてたから持ってきたよ〜』


『ささささ犀川くん!?』



彼はいつものニコニコ笑顔で、とんでもない威力の爆弾を運んできたのだ。



『あ、ありがとう』



──マズイ!



“何で浅原の弁当を犀川が持ってんだ?”


“えー2人ってそんな関係なの?”



私の嫌な予感は悲しいことにも的中し、教室が一気にザワザワとし始める。



『あらやだ私、下駄箱に置き忘れちゃってたのね! あはは……』


『ん? あったのは確かリビン──』


『わー! とにかく、ありがとう。本当に助かったわ!』



せっかく取り繕おうとしてるのに、こんなところで天然炸裂させないで〜!


ってか、お願いだからもうちょっとこっそりと渡してよ犀川くん。



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