白雪姫の王子様




「棚の上に置いとくわね」


「ありがとう」



なんとか任務を果たし、逃げるように立ち去ろうとした、その瞬間。



──コツン。



床に何かが転がった音がした。


……ん、ペンダント?



「……っ!?」



全身に電流が駆け巡ったみたいな感覚。


瞬きをすることも、呼吸さえも、忘れてしまう。


私は畳んで置かれた服の上にそれを乗せると、慌てて外に飛び出した。



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