白雪姫の王子様
脳裏に焼き付くのは、つい2分ほど前の記憶。
それは長くて黒い髪をした、同い年くらいの綺麗な女の子の姿。
瞼を閉じても、消し去ろうとしても、反って鮮明に私を苦しめる。
「最悪……」
何であの時落としちゃったんだろう。
後悔の念にかられる。
お風呂場にあった犀川くんのペンダントはどうやらロケットペンダントだったらしく、私が落とした瞬間パカッと開いてしまった。
その中には、例の女の子の写真があったのだ。
目に入った瞬間は、あまりの衝撃に視界がただ真っ暗になった。
「はぁ」
すうっと抜け出た魂のような息。
──あの人は多分。