白雪姫の王子様




「やっぱ変」


「へ?」


「あんた最近、何かあったんじゃない?」


「そ、そうかな。別に普通だよ?」



それは2時間めの授業が終わり、休み時間になって間もなくのことだった。


じーっと疑いの目を向ける由利。


“実は恋の病にかかっちゃって!”だなんて、冗談交じりにも言えない私は、精一杯の笑顔を向けた。



「あ、雨」



どこからか聞こえてきた声に、ふと窓の外に目をやる。


ポツ、ポツ、と大粒の雫がだんだん地面を濡らしていくのがはっきり見えた。


まるで私の心と同調するような、そんな空模様。


……あ。




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