白雪姫の王子様




「傘忘れたーー!」



思い出したその瞬間、感情のままに立ち上がり叫んでしまっていた。


笑い声が教室にいくつもあがる。


やっちゃった……。


なんとも言えない恥ずかしさに居たたまれず、私は小さくなりながら静かに座った。



「もう。途中まででいいなら、私が入れてあげるけど。それとも、犀川くんに頼む?」



──ドクン。



「ううん! 由利お願い」


「はいはい」




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