白雪姫の王子様




それにしても、何だか不思議な気分。


だって、初めて帰り道を大好きな太一兄ちゃんと並んで歩いてるんだもん。



「迎えに来てくれるなんて、ビックリしちゃった」


「大事な孫娘がずぶ濡れになっちまうからって、電話でおじい様に頼まれちまったもんでな」


「えっ。それじゃあ、私に傘を届けてくれるためだけに来てくれたってこと?」



罪悪感が心を締めつける。


私、すっごく申し訳ないことしちゃったな……。


天気予報を見忘れていた自分が、何とも腹立たしく情けない。



「ちげーよ」




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