白雪姫の王子様
「食いしん坊は余計よね!」
こんな私でも、一応女の子なのよ?
デリカシーってもんがあるで──。
「──プッ」
「ちょ、太一兄ちゃん!? 何で、笑わないでよー!」
「安心した」
あ、安心?
「やっと、俺の知ってるいつもの白雪だ」
ドクン、と心臓が激しく主張する。
私、何やってたんだろう。
自分の事で頭がいっぱいになってしまってて、他のことが全然見えてなかった。
まさか、こんなにも周りに心配をかけてたなんて。