白雪姫の王子様
「もう質問ないよな〜。早速、あん時のバトルの再開ってことでいきましょーぜ?」
「くっ」
このまま無抵抗なら──確実にやられる!
それに、奴はナイフを持っている。嫌だと断ったら何されるかわからない。
──バッ。
「へぇ、中々やるじゃん」
額には滲む大粒の汗。
拳や蹴りを避けることは、昔から攻撃より得意だった。
連続で繰り出された彼の攻撃を、私はなんとか交わすことに成功したのだ。
でも、このまま受け身でいてもいつかは力尽きて負けてしまうことは言わずもがなだ。
「はああ!」
高く蹴り上げた右足。
──ガッ。
それは思惑通り、奴の脇腹にヒットする。
……決まった?
──そう期待したのに。