白雪姫の王子様




──……



私達新入生が入場すると、体育館は一斉に拍手の音で包まれた。


式は着々と、順序よく流れていく。


開式の辞、国歌斉唱……そして、校長や理事長達の祝辞が終わり、式が後半に差し掛かった時だった。



「続いて、新入生代表挨拶。新入生代表、犀川龍介」


「はい」



……ん?


んんん?


さいかわ、りゅう……。


えぇ~~~っ!?


思わず叫びそうになった口を押さえ、私は壇上に上がっていくその後ろ姿を凝視した。




 
< 32 / 366 >

この作品をシェア

pagetop