白雪姫の王子様




大きく空気を取り込む。



「待ちなさい!」



泥飛沫を浴びながら、無我夢中で犀川くんの元へ駆けた。


そして、彼の盾になった私は揺るぎない瞳でそう叫んだ。



「は?」


「あんたは私に怒ってるんでしょ。だったらあんたの相手は犀川くんじゃない!」



私が鋭く主張すると、少し驚いたような呆れたような顔が返ってきた。



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