白雪姫の王子様




「た、助け……ぐふっ!」



犀川くんの蹴りは綺麗にみぞおちに入り、男は徐ろに泥の上に倒れ込んだ。


……やっ、やった。


無心で彼の元へ走ろうとした、その時──。



「犀川くん……っ!」



突然両足の力が抜けたように、その身体は膝から一気に崩れ落ちた。



「大丈夫っ!?」



急いで駆け寄ると、私は膝をついて身体を抱き起こし、しっかりと支える。




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