白雪姫の王子様




「君だけのせいじゃないよ。白雪は、身を挺して俺のことを守ろうとしてくれただろ」



でも、それは元々私がきっかけだもの。


それに……。



「あんな酷いこと言った奴のこと、放っておくのが、普通でしょう?」



そう、だよ。


ちっぽけで最低なあの時の自分の姿がこびり付いて離れない。



「君を怒らせるようなことをしたのは、俺だから」


「そんな、違う……!」


「違わない。これ以上謝ったり自分のせいにしたら、それこそ本気で怒るからね」


「──っ」




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