白雪姫の王子様
「皆さん入学おめでとうございます。えー、これから君達の担任を務める、伊丹達也(いたみ たつや)だ。よろしく」
入ってきた先生は、見たところ30代半ばくらいの男の人。日焼けしていてガタイもよく、いかにもスポーツやってます! という雰囲気が漂いまくっている。
すると案の定、体育教師であることがわかって。
“やっぱり”
私は心の中で密かに呟いた。
「それじゃあこれから自己紹介を、と言いたいところなんだが……あまり時間ないから自己紹介は来週に回す。それぞれ、ちゃんと考えておくようにな。以上」
……自己紹介か。何話したらいいんだろう。
こうして初めてのHRが終わり、そのまま家に帰るべく私は由利と一緒に教室を出た。
すると──。