白雪姫の王子様




「でも正直、めちゃくちゃ驚いたよ。好きになった子が……いつか絶対に会いたいって思ってた、その人だったんだからさ」



……な、に?


思考が完全にフリーズする。


口は薄く開かれたままで、言葉は1つも出てこない。



「うまく言えないけど……白雪にはずっと、傍で笑っててほしいって思ってる」


「……っ!」


「あの日、俺を救い出してくれてありがとう」



……私、どうしちゃったのかな。


突然鼻の奥がツーンと痛くなって、目の前の景色が歪んで見えた。



「好きだよ、白雪」


「……うそっ」



あぁもう、そんな……。




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