白雪姫の王子様




「きゃ~っ!」



ざわざわと幾つもの声が聞こえ、咄嗟に振り向いた。


何なんだろう。


向こうの方が異様に騒がしい。


遠目で確認した限り、どうも7、8組辺りの前に人だかりができているようで。


さっきから止まらない悲鳴……とは違う、どこか興奮して沸き立つような黄色い声。


それは、何かを取り囲んでいるようだった。



「見に行ってみる?」



ニヤリと口角を上げた由利に、私はゆっくりと頷いた。




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