白雪姫の王子様
エピローグ
──……
「ん……っ」
やっと離れた身体。
それでもまだ、色濃く残る記憶に、余韻に、熱に、全身は火照っている。
「犀川くん……」
「……白雪」
堪らなくなって、呼んだ名前。
かかる甘い吐息がくすぐったくて、とてつもなく愛おしい。
ほとんど距離なんてないのに、もっと近づきたいなんて、我が儘な自分が活発に動き回る。
……大好き。
おかしいかもしれないけど、このまま溶けてなくなっちゃいそう、本当そんな気分だ。
「ねぇ」
視界を埋める艶っぽい瞳に、ちょっぴり恥ずかしくも嬉しくなって。
「私のこと、ずっとずっと守ってくれる?」
今なら、ちゃんと素直になれる気がしたから。
私は求めるように彼を見つめた。