白雪姫の王子様
「おーおー安心せい、来たのはほんの少ぉし前じゃ。だからお前達2人の甘ったるいラブシーンなど、ワシはちーっとも見とらんぞ?」
「……っ!?」
嘘つけ! バッチリ見たんじゃん!
うぅ……おじいちゃんの悪趣味ぃ。
孫の恥ずかしい姿見て、ニヤニヤしてるなんて……!
「きっ、来てるなら来てるって、もっと早く言ってよ! ねえ、犀川く──」
「ああ……」
目に入ったのは、赤面して俯いた彼の横顔。
ついそんなものを見てしまった私の体温は、言わずもがな猛烈に急上昇する。