白雪姫の王子様




気が付くと、先程まで犀川くんに向けられていた視線は、私の方に向いてい……いや、突き刺さっていた。


ちょっと待って。


こ、これは何か、マズイような……。


すると犀川くんは、狼狽える私をよそに女の子達の間をすり抜け、徐にこちらに近付いて、き、て……?



「やっぱり同じ学校だったんだね」



……え?


ふわり、甘い匂いが鼻先を掠める。


次の瞬間、私は温かな何かに包まれていた。



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