白雪姫の王子様
「「きゃーーーーー!」」
「~~~〜っ!?」
甲高い悲鳴が上がったところで、私の思考は運転を再開した。
「ちょっ、いいい、いきなり抱きつかないでよー!」
私は急いで犀川くんを突き飛ばし、パニック状態のまま叫ぶ。
すると彼は、訳がわからないのかきょとんと不思議そうな顔をした。
……もうわかった。
絶対そうよ。これでやっと確信した。
犀川くんは、本物の天然だわ!
ドキドキとうるさい鼓動を鎮めるべく、私はゆっくりと深呼吸をした。