白雪姫の王子様
──……
「由利~、ほんとにごめんねぇ」
靴箱の前で待ってくれていた彼女に、何度も謝る。
「もういいって。それより白雪、あの秀才のイケメンと知り合いなんだ」
「ま、まあね」
私はなんとも言えず、苦笑いを浮かべた。
知り合いっていうか、ついこの前から何故か同じ屋根の下で生活してるんだけどね……。
「何、もしかしてワケありな感じ?」
「……っ!」
背筋がビクッと跳ねた。
さ、さすが由利。
私の心中を察してか鋭く切り込んできた彼女に、こっそり賛辞の視線を送る。
……私と犀川くんの同居のこと、ほんとは誰にも内緒にしておくつもりだったんだけど。
どうしよう。
彼氏がいる由利だったら、私より断然男の子のこと知ってる筈だよね?
何かと相談できそうだし、この際由利にだけなら……。