白雪姫の王子様
「えーと、実はその……」
私はそっと重たい口を開いた。
そして。
犀川くんと知り合った経緯、おじいちゃんの弟子だということ、そして同居の事実について全て打ち明けた。
「絶対、秘密にしてね!」
「了解」
手を取り懇願する私に、由利は口角を上げて見せた。
「でも同居かー、素敵なシチュエーションね」
「全っ然! もう素敵なんかじゃないよー」
「何で、かっこいいのに」
信じられないと言わんばかりの口ぶり。
私は少し間をおいてから続けた。
「かっこいいことは確かだけど……由利だってあの女の子達の様子見たでしょ? バレたら怖いし、私の夢のスクールライフが……」
「夢のスクールライフ?」
眉間に皺を寄せながら、彼女はじっと私を見た。