白雪姫の王子様
『おじちゃんと遊ばない?』
『ご、ごめんなさい。今、人と待ち合わせしてて』
どうしよう。
こんな状況は初めてで、どう対応すれば良いか分からなかった。
それに、空手道場の孫とはいえ、全く体格の違う相手──それも大人の男性を目の前にすると、足がすくまずにはいられなかったのだ。
振り払うためとは言え、一般人相手に技をかけるなんてもっての他だし……。
『えー、いいじゃん。ほら、お嬢ちゃんの好きなもの何でも買ってあげるからさ。ね?』
『でも──』