白雪姫の王子様




「龍介の兄ちゃ〜ん、白雪が怖いよー!」



こ、怖いですと!?


それに、犀川くんにはちゃんと“兄ちゃん”って言ってるし。



「ハハ。白雪はとっても優しくて可愛い女の子だから、怖がらなくて大丈夫だよ、宗馬くん」


「へっ?」



ささささ犀川くん今なんて……!


ニコニコしながらとんでもない爆弾を投下する彼に、鼓動は煩く高鳴った。


不意にドキリとさせられて、それも天然で、私はこれからどうして身構えて生活していくべきなのだろうか。



「えー、そうなのー?」


「うん本当だよ。ただ、ほんのちょっと血の気が多いだけだから」



……え?


ドキドキ胸を締め付けられたのも束の間、私の心は一変してして硬直した。





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