白雪姫の王子様
──グゥ。
小さく、だけど確かに音が響いて、その場の空気は一瞬にして固まった。
や、やってしまった……!
はっとなった時にはもう、周囲の視線は完全に私に集中していて、今更“私じゃありません”なんてとぼけても無駄であることを悟る。
うぅ〜恥ずかしい……最悪っ!
とにかく、一刻も早くこの空気を変えなきゃ。
「……皆、お腹空いてるでしょう? 早くお昼ご飯食べましょうよ、おほほほ……」
そろりそろり、私はできる限りの笑顔を浮かべながら逃げた。