白雪姫の王子様




──グゥ。



小さく、だけど確かに音が響いて、その場の空気は一瞬にして固まった。


や、やってしまった……!


はっとなった時にはもう、周囲の視線は完全に私に集中していて、今更“私じゃありません”なんてとぼけても無駄であることを悟る。


うぅ〜恥ずかしい……最悪っ!


とにかく、一刻も早くこの空気を変えなきゃ。



「……皆、お腹空いてるでしょう? 早くお昼ご飯食べましょうよ、おほほほ……」



そろりそろり、私はできる限りの笑顔を浮かべながら逃げた。




< 61 / 366 >

この作品をシェア

pagetop