白雪姫の王子様




「白雪、いただくよ」


「……どうぞ」



怒涛の質問攻めがひとまず止んで、すぐだった。


どうやら犀川くんは、今までお弁当を開けるタイミングを見失っていたらしい。


そんな彼に対し、私は咄嗟に無愛想に振る舞った。


だって、あんなこと言われたんだもん。そっけなくしたって当然よね?


……あ。


犀川くんが蓋に手を伸ばした途端、私はこっそりとその様子を横目で窺った。


たとえ怒っていても、やはり反応は気になってしまうもの……。


ドキドキドキ。


緊張が胸をいっぱいに埋める。


そして──。




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