白雪姫の王子様




「痛む?」



タオルに包んだ氷を患部に当てながら、宗馬の様子をそっと見守る。


見たところこれは捻挫だ。あまり重傷じゃないといいけど……。



「うん、ちょっと。でも、大丈夫だから」


「ごめんな、宗馬くん。俺がちゃんと見てれば……」


「龍介の兄ちゃんのせいじゃないよ。俺がぼーっとしちゃってたからだし」



シュンとなる犀川くんに、宗馬はにっと笑ってみせた。


そして、「それより、皆の稽古の続きやってくれよ」そんな彼の言葉で、犀川くんは練習を再開させたのだった。




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