白雪姫の王子様
「……て、手当ありがとな、白雪“姉ちゃん”」
「へ?」
テーピングを終えた直後、突然降りかかってきた声に私は一瞬耳を疑った。
ん、あれ……?
今確かに、白雪“姉ちゃん”って言ったわよね!?
……どうしよう、ニヤケが止まらない!
私の頬は今、かなり緩んでいるに違いない。
「何だよ、気持ち悪い」
「えへへ〜。どういたしまして!」
「……うわっ! ちょ、止めろよ白雪! 痛い痛いってば」
嬉しさのあまり、私は宗馬をギューッと抱きしめていた。