白雪姫の王子様




──こうして、ちょっぴり騒がしい稽古はついに終了時間を迎えた。


いつも通り皆で道場の掃除をすると、道場生は揃って帰っていった。


そして今私はというと、夕飯を作っている真っ最中。


こんなにも、お母さんの手伝いをしてきてよかったと思ったのはこれが初めてのことだ。


おじいちゃんが動けない分、私が家の仕事を頑張らないと。


……そろそろかな?


さっきから火にかけていたスープを、少し味見してみる。


んーっと……。よし、良い感じね。


納得のいく出来。私は安堵して口角を上げた。すると──。




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