白雪姫の王子様
──……
「やっぱり白雪の料理は美味しいなー」
2人きりの食卓。
なんとなく意識してしまっているのはどうやら私だけみたいで、彼は相変わらずの様子である。
にこにこ笑顔で嬉しそうに食べる姿は、稽古中とはまるで違う人みたい。
普段からあんなだったらなあ……なんて。
「……はぁ」
「ん?」
「え、な、なんでもない!」
ヤバっ。溜め息漏れちゃってた。
不思議そうに見る彼に、私は精一杯の作り笑顔を向けた。