白雪姫の王子様

「わかった！　なるほど、それであの時機嫌がよくなかったのか！」


「やっと気づいたの!?」



もともと悪気はないんだろうとは思ってたけど、本気で何にもわかってなかったなんて……。



「……あんな風に言われて、傷つかない女の子なんていないんだからね？」



私は溜め息交じりに言いながら、チラリと犀川くんを見る。



「そうか、それは悪かったな……。でも、特別元気だって意味で、傷つけるつもりはなかったんだ。……あと、これだけはわかってほしい」


「え？」



彼は、私の目を真っ直ぐ捉えた。



「俺は、そういうところも、白雪の魅力の一つだと思ってるから」


「……なっ」



どうしよう。


そんな顔でそんなこと言われたら、私……。