白雪姫の王子様
……ふぅ、びっくりした。
彼がまた身を隠したことを確認すると、ホッとして小さく息をついた。
だって今私は、犀川くんとの同居がバレないために、こうやって尽力してるんだから!
同じ家から出てくるところを、ウチの学校の生徒に見られたら……。そんなの絶対騒ぎになること間違いない。
だから、誰もいないところを見計らって出て行こうと、制服チェックに勤しんでいるのだ。
……もう、大丈夫よね。
「犀川くん、オーケーよ」
私は囁くように言うと、門をそーっと開けた。