白雪姫の王子様
「それより」
ポツリと落とされた声。
それに軽く視線をやると──。
「そんな風に歩いてる方が、逆に怪しく見えると思うけどなー」
「っ!」
サラリと放たれた言葉は、私の心臓を矢の如く貫いた。
それは、一理あるかも……。
「……確かに」
「だろ? じゃあ、一緒に行こう」
「う、うん」
満足そうな明るい表情。
何だか、見事に犀川くんのペースにのまれちゃったような気がするけど……。
的確な指摘に負けた私は、結局犀川くんのすぐ隣を歩いて学校へ向かうこととなった。