白雪姫の王子様




──……



朝のSHRが始まるまで、あと20分。


犀川くんと別れた私は、まだ慣れない自分の席に座って机に突っ伏していた。


……由利、まだかなぁ。話したいこといっぱいあるのに。


そうやって思いを馳せていると、突然。



「浅原さん……だよね?」


「う、うん。そうだけど」



ふと顔を上げてみれば、私の周りには3人の女の子が立っていた。


名前はわからないけど、確か皆同じクラスにいた筈。


“挨拶しなきゃ”そう思った時、長い茶髪で1番気の強そうな女の子が口を開いた。



「浅原さん、犀川くんと仲良いみたいだけど……どういう関係なの?」



き、きたーーーーー! 


恐れてた事態が、ついに目の前にやって来てしまった。


えっと。ど、どうしよう……。


口が裂けても、“同居してるんです〜”なんてことは言えない。




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