白雪姫の王子様
「え、えーと。ちょっとした知り合いっていうか……」
「知り合い?」
「そう、ウチのおじいちゃんと友達で! だから、私からしたら知り合いの知り合い、みたいな感じで……と、特別仲が良いってわけでは〜……はは」
私は精一杯の笑みを浮かべる。
お願い、これ以上掘り下げないでぇ!
「そうなの? でもやっぱり知り合いなんだよね。いいなー」
「羨まし〜い」
「ははは」
必死の思いが通じたのか、なんとか信じてくれたような彼女達。
さっきよりはまだ心持ち優しい口調になったような気がする、けど。
うぅ……やっぱりなんか気まずいぞ。
そんな時だった。
「おはよ」
はっ、その声は!
私は素早く反応すると、声の主の方に顔を向ける。
そこには、我が救世の女神──由利の姿があった。