白雪姫の王子様




「えっと、あなた達は……」



彼女達に目線をやりながら、由利はそう尋ねる。



「私は桐沢彩香(きりさわ あやか)。で、こっちは理子と麻里奈」


「私は由利よ。良かったらこれから仲良くしてね。あ、名前で気軽に呼んでくれていいから。ね、白雪?」


「う、うん!」



由利の巧みな言葉運びにより、名前で呼び合うことになった私達。


……さすが由利だ。


なんとか丸く収まった、そう思ってホッと一息ついた。



──キーンコーンカーンコーン。



突然のチャイムの音に、私は咄嗟に時計を見る。


この音を合図に、皆はそれぞれ席に着き始めた。



「ありがと〜。助かった」



3人が席に着いたのを確認すると、小声で由利にお礼を言った。


そして暫くすると先生が入ってきてSHRが始まり、そのまま自己紹介に移ることとなったのだった。




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