白雪姫の王子様




「今回は、男子から順にやってもらう」



ザワザワと騒がしくなる教室。こうして、自己紹介はスタートしたのだ。


先生の言葉通り、出席番号1番の人から次々に紹介を済ませていく。


そんな中私は、どんな人がいるのかと興味津々でその様子を観察している。


そして最後の男子の自己紹介が終わった時、遂に私の番が回ってきた。


私は椅子を引いて立つと、そのまま口を開いた。



「浅原白雪です。身体を動かすこと、特に空手が好きです。1年間よろしくお願いします」



軽く頭を下げると同時、拍手の音が響いた。


やっぱり、こういうのっていつまでも慣れないわね。


いつの間にか速くなっていた鼓動は、席に着いても暫くドクドクと煩いままだった。




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