白雪姫の王子様
「うーん。文化委員だけ決まらないな……。誰か、やってくれるっていう人いませんか」
通年ということもあるのか、人気のない文化委員は未だ男女ともに立候補がない状態。
喜多くんの問いかけに続く声はなく、教室内にはなんとなく気まずい空気が漂っていた。
あと1つだというのに、なかなか話が進まない。
そうやって、どうしようもなく皆が顔を見合わせていると。
「俺やるよ」
どこからか声があがり、一斉に視線が集中する。