白雪姫の王子様
「間宮! サンキューな」
どうやら2人は友達みたいで、喜多くんは仲良さそうに声を飛ばした。
私は勇者を見る目で間宮くんを見た。
……これであとは女子だけ。
辺りの雰囲気が少し和やかになる中、私の心にはちょっとした焦りがあった。
どうしよう……これ、マズイかも。
実は何も役職に就いていない私。このままいくと、あたってしまう可能性は絶大である。
よし、こうなったら!!
“白雪姫様お願いです。どうか私に幸運を授けてください!”
心の中でそう唱えると、私は自分の手の甲にそっと口付けた。
これは一体何なのかというと、私が小さい頃からやっているおまじないみたいなもの。
こうやって願うと、底知れぬパワーが全身に漲るのだ。
しかし──。
最後まで立候補があがることはなく、結局私を含めた数人で放課後にじゃんけんを行うことになった。